アーティスト・鈴木康広氏の、水戸芸術館での展覧会の会場構成。順路途中の展示空間を交差するように壁で間仕切り、動線を意図的にクロスさせている。それによって「グローブジャングル」「気球の人」「まばたきの葉」といった大型で代表的な作品を効果的に配置することができ、来場者の動きと作品への興味を最後まで途切れさせることなくつなぐことが可能となった。また、この壁を設置したことでスペース全体がくまなく展示空間としての機能を発揮したのと同時に、これまでにない心地よさも生まれた。磯崎新氏による建築空間とそこに差し込む光を存分に活かした会場構成となっている。